旅行の仕事をしていると、旅先での食事に何度も驚かされます。特に野菜。スーパーで買うのと同じ品種のはずなのに、産地で食べると甘みも歯ごたえも全然違う。こんなに違うのか、といつも新鮮な気持ちになります。
これはわりと真剣に、旅の醍醐味のひとつだと思っています。景色でも温泉でもなく、その土地の野菜を旬の時期に食べることが、旅の記憶に深く刻まれる。そういう体験を積み重ねてきたので、少し書き留めておこうと思いました。
産地で食べる野菜が、なぜ美味しいのか
単純な話でもあるのですが、収穫から食卓までの時間が圧倒的に短いからです。流通に乗った野菜は、収穫後に数日〜1週間程度かけて店頭に並びます。その間に糖分が分解されたり、水分が抜けたりする。産地の農家レストランや旅館では、朝採りの野菜がその日の夕食に出てくることも珍しくない。
加えて、旬の時期というのは栄養価も高い。旬の野菜は生育に最適な季節に収穫されるため、ビタミン・ミネラル・食物繊維の含有量が高い傾向があります。「美味しい」と感じるのは、体が必要なものを感知しているとも言えるかもしれません。
旅行中に野菜の量を意識している人はほぼいないと思いますが、旅館の夕食をしっかり食べると結構な量の野菜を摂れているはず。煮物・和え物・汁物と、気がつけば何皿分もの野菜が並んでいる。旅先って、案外野菜をたくさん食べている場面が多いんですよね。
個人的に印象に残っている産地と野菜
旅行の仕事で各地を回ってきた中で、野菜に関して特に印象が強かった場所をいくつか挙げてみます。
八ヶ岳の麓のキャベツ畑
信州の野菜でバーベキュー
地平線まで続く十勝平野
「野菜が美味しい宿」を選ぶということ
旅行のプランを組むとき、私はかなり食事の内容を重視します。特に地場の野菜をちゃんと使っているかどうか。これは食育的な観点というより、純粋に「美味しいから」という理由が大きいのですが、結果として野菜の消費に貢献していることになります。
地産地消に取り組んでいる宿は、料理の説明も丁寧なことが多い。「これは近くの〇〇農家さんから今朝届いた○○です」という一言があるだけで、料理へのありがたみが全然変わります。食材の背景を知ることが、おいしさを深める。これは旅ならではの食体験だと思っています。
旅先でよく出会う旬野菜メモ
今後やっていきたいこと
このブログでも今後、「野菜が美味しい旅行プランと宿泊施設の紹介」をシリーズとして書いていこうと思っています。旅行のプロの目線で産地と宿を組み合わせて、「どの時期に、どのエリアに行けば、どんな野菜を食べられるか」という情報を整理してお届けしたい。
郷土料理と旬野菜の組み合わせ、農場体験ができる宿、朝食が野菜自慢の旅館など、切り口はいくつもあります。旅の目的として「食べたい野菜から行き先を決める」というアプローチが、もっと広まってほしいと思っています。
旅先の食事で「こんなに野菜って美味しいんだ」と感じた体験が、日常の食生活に戻ってからも野菜を選ぶきっかけになる。そういう旅の力を、引き続き発信していきたいと思います。
